サンタクロースの贈り物(クリスマス企画)
少しして、家にお迎えが来た。
「桜小路(サクラコウジ)が、何で…?」
「私が梨香を保護するのは、お気に召さないでしょうね。
高校生の頃は散々、蒼先生に迫ってたし。」
そういえば、さっきまで切り刻んだラブレターの中に彼女の名前もあったような気がする。
「僕はともかく、梨香がどう思うか…。」
柾樹さんは、私をチラッと見ながら言った。
6年前に私を突き落とした彼女と同じ顔が、口を開く。
「私、スズメじゃないわよ。」
「分かってる、ツバメちゃんでしょ?」
同じ顔でも、中身は違う双子。
スズメちゃんは私と仲良かったのに対し、ツバメちゃんは最初から私のことを嫌ってた。
だから、スズメちゃんがしたことは今でもショックに思ってる。
そういえば、何でツバメちゃんは私のこと嫌っているんだろう?
私は靴を履くと、何度か足を運んだ桜小路邸へと車で向かった。
車内で、思い切って尋ねた。
「ツバメちゃん、聞いても良いかな?」
「何?」
「ツバメちゃんは、昔から私のことが嫌いだったはずだよね。
何で、保護しようって思ったの?」
「確かに、昔からみんなにチヤホヤされてる梨香のことは嫌いだわ。
でも、どこぞの誰かさんは敵にホイホイついてくから、手元で監視した方がマシ。」
私より年下だけどしっかりしてる彼女の言葉に、私はぐぅの字も出なかった。