夢のまた夢では 終わらない夢
『もう悪いことは言わない。私たちとは住む世界が全く違う人だから今日のことは忘れなよ』
美咲の口調は本気だった。
『なんなら、今度いい人紹介しようか?私と同じ畑なんだけどさ、高級フレンチのオーナーやってる人なんだけど……』
「いい!いい!心配しないで、彼氏とか結婚とか今は全く興味ないし、これから先もノーセンキューだから」
『そこまで言ってないわよ。いい恋はじゃんじゃんすべきだわ。ただ神楽財閥となると話がでかくなりすぎて範疇を超えるってだけで』
美咲は、神楽さんのことなんか全然知らないくせに。
神楽さんは、天上界の人かもしれないけれど、普通に食べるし普通に話せるし、普通に笑ってた……。
......そうだね。
美咲も私のこと心配してくれてる。
今日は今日までの話。これから先はきっともうないってこと。
連絡先交換したのだって、きっと神楽さんが優しいから私に気を遣ってくれただけ。
「うん、わかった。神楽さんのことは大丈夫。今日一日のいい思い出にするよ。もう会うこともないだろうし」
『そうだね。連絡先交換してないなら会うことはないわね。とにかく、来週うちに来てゆっくり食べてしゃべりまくるわよー!』
「うん、今度こそ頼むわよ。あ、部屋番号は?」
『はいはい、ちゃんと書き留めておいてよー。8・0・8号室!』
808号室……って、やっぱり結構上の階に住んでるんだ。確か神楽さんは最上階で1010号室だったもんよね。
いやいや、彼の部屋番号なんてもうきれいさっぱり忘れなくちゃね。
「了解。じゃ、来週ね。若い彼氏の話もじっくり聞かせてもらうから」
『うふふ。深いところまで聞いちゃってよねー。樹には刺激が強いかもしれないけどさ』
「刺激大好き!楽しみにしてる」
ケタケタ笑いながら美咲からの電話を切る。
スマホを手に持ったまま、大きなため息をつき再びベッドに仰向けに倒れ込んだ。
手にしたスマホを開き彼の連絡先を開く。
連絡先が自分の手元にある限り、きっと浮かれ気分の勘違い野郎になるだろう。
そして、とんでもなく傷付いて本当にもう誰とも恋なんかできなくなるんだ。
「これでよし」
神楽さんの連絡先を削除して、スマホをサイドテーブルに置いた。
美咲の口調は本気だった。
『なんなら、今度いい人紹介しようか?私と同じ畑なんだけどさ、高級フレンチのオーナーやってる人なんだけど……』
「いい!いい!心配しないで、彼氏とか結婚とか今は全く興味ないし、これから先もノーセンキューだから」
『そこまで言ってないわよ。いい恋はじゃんじゃんすべきだわ。ただ神楽財閥となると話がでかくなりすぎて範疇を超えるってだけで』
美咲は、神楽さんのことなんか全然知らないくせに。
神楽さんは、天上界の人かもしれないけれど、普通に食べるし普通に話せるし、普通に笑ってた……。
......そうだね。
美咲も私のこと心配してくれてる。
今日は今日までの話。これから先はきっともうないってこと。
連絡先交換したのだって、きっと神楽さんが優しいから私に気を遣ってくれただけ。
「うん、わかった。神楽さんのことは大丈夫。今日一日のいい思い出にするよ。もう会うこともないだろうし」
『そうだね。連絡先交換してないなら会うことはないわね。とにかく、来週うちに来てゆっくり食べてしゃべりまくるわよー!』
「うん、今度こそ頼むわよ。あ、部屋番号は?」
『はいはい、ちゃんと書き留めておいてよー。8・0・8号室!』
808号室……って、やっぱり結構上の階に住んでるんだ。確か神楽さんは最上階で1010号室だったもんよね。
いやいや、彼の部屋番号なんてもうきれいさっぱり忘れなくちゃね。
「了解。じゃ、来週ね。若い彼氏の話もじっくり聞かせてもらうから」
『うふふ。深いところまで聞いちゃってよねー。樹には刺激が強いかもしれないけどさ』
「刺激大好き!楽しみにしてる」
ケタケタ笑いながら美咲からの電話を切る。
スマホを手に持ったまま、大きなため息をつき再びベッドに仰向けに倒れ込んだ。
手にしたスマホを開き彼の連絡先を開く。
連絡先が自分の手元にある限り、きっと浮かれ気分の勘違い野郎になるだろう。
そして、とんでもなく傷付いて本当にもう誰とも恋なんかできなくなるんだ。
「これでよし」
神楽さんの連絡先を削除して、スマホをサイドテーブルに置いた。