冷徹上司の過剰な愛
「おかえり。」



と優しく微笑んだ難波さんに涙が溢れる。


会いたかった…すごく会いたかったよ難波さん。



「難波さん…わたし……っ、難波さんに会いたかった。こんな時にこんなこと思うのは不謹慎なのかな……。でも…それでも会いたかった…です。」


「………ん。こんな時の僕でいたいから、そう
思ってくれて嬉しいよ。」



と抱きしめてくれた胸の中で涙を流し続けた。


きっとわたしには、お母さんと同じくらい難波さんのことだって必要だ。



「体が冷え切ってしまう前に帰ろう。」



涙が落ち着いた頃にそう声を掛けてくれた難波さんに手を引かれ、アパートまで帰ってきた。



「疲れたでしょ?ゆっくり休んで。」


「…はい。」


「じゃ僕はこれで「難波さん、」



気づくと難波さんのコートを掴んでいた。



「……少し寄って行きませんか?」


「…でも今日は「もう少しだけ……一緒に居てほしいです。」



5分だけでもいいから…一緒にいたい。
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