冷徹上司の過剰な愛
「コーヒー…でも飲みますか?」



慣れたようにソファに座る弟さんに声を掛けるも、横目で睨まれスルー。


うぅ…困ったなぁ。かなり空気重いんだけど。早く難波さん帰って来ないかな…?


時計に目をやるも、退社時刻までまだ1時間はある。


とその時、前から刺さるように痛い視線が…。



「っ、えっと……自己紹介、します。蓮美あのん24歳独身です!…好きな食べ物は甘い物?です。嫌いな食べ物は特に「あのさっ。」


「っ、はい!」


「…ちょっと黙ってて?うざい。」


「あ、…ごめんなさい。」


「………さっきの独身ってやつ。それ当たり前だろ。てかあんたばかだろ?なんで浬はあんたみたいな女選んだんだろ?なんかの間違いであってほしい。」


「………。」



うっ、確かに…。ばか丸出しだった。こんな彼女でごめんなさい難波さん。



「浬はさ、波瑠姉と結婚すると思ってた。波瑠姉のこと、あんたも知ってんだろ。」


「…波瑠さん…っ、」


「あんたより断然波瑠姉とのほうがお似合いだし、2人は運命だったはずなのに……なんであんた?浬はあんたのどこか良くて彼女にしたんだよっ。」


「っ、……。」



そんなこと言われても困る。だって…難波さんが選んでくれたのは波瑠さんじゃなくてわたしだから。
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