冷徹上司の過剰な愛
「その日の料理にもよりますけど、2.3時間が平均ですかね。なので蓮美さんの場合…22時前後になるかと…。」


「分かりました。よろしくお願いします。」



その後は手続き等済ませて教室を後にした。そして、マンションに帰って来ると同時にスマホが鳴った。



「もしもし?お父さん?」


『あのん?母さんが目を覚ました…!母さんが……目を覚ましたよ。』


「っ、…すぐ行くっ。」



電話を切り、側にあったメモ用紙に難波さん宛てに伝言を残した。


"母の意識が戻ったので病院へ行ってきます。冷蔵庫のドリア、良かったら食べてください。"


昨夜の余ったカレーをアレンジしてドリアを作っていた。


本当は難波さんが帰ってくるタイミングで焼くつもりだったから心残り…。ごめんね難波さん。


マンションを抜け、タクシーをすぐに拾った。今だけは電車に乗る時間さえ惜しく感じたから。



「お母さんっ!?」



病室に駆け込むと、酸素マスクを付けたお母さんと瞳が絡んだ。



「……あのん、」


「っ、お母さん…!良かった…ほんとに良かった!」


「…ごめんあのん。心配かけたね。」



意識が戻ったばかりのお母さんの声にはまだ力はなかったけど、それでもいつものお母さんにホッとする。


…良かった。これで悔いなく親孝行をしてあげられる。
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