冷徹上司の過剰な愛
実は少し前に、舞子からこの料理教室を教えもらっていた。今年の目標の一つ。料理教室に通うことを実行させるために。


三木元大輔ーーー


そしてこの人が舞子の従兄弟であり、教室の先生。


三木元さんは黒縁のお洒落なメガネを掛けており、髪はふんわりパーマが当てられていて、笑うと小さなえくぼができる。


舞子の従兄弟なだけあってお洒落だし、今時風でモテそうな感じだ。



「舞子から簡単に話しは聞いていて、週1のペースで通いたいってことだったけど…?」


「はい。わたし、とにかく仕事が出来ないんです。残業なんてしょっちゅうで…。本当はもっと頻繁に通いたいところなんですけど、仕事と両立させるのは難しいかな、って。」


「…なるほど。」


「週1は難しいですか?」


「いえ、そういう方も数名いらっしゃいますよ。全然気にしなくて大丈夫です。えっと、それで……通うとなると仕事終わりがベストなんですよね?」



メモ用紙に目を通しながら言葉を並べる三木元さんは、舞子からの情報をメモしてくれているようだ。



「はい。仕事が終わるのが18時なので、それ以降で…。」


「となると、帰りが遅くなるけど、その辺は大丈夫ですか?」


「それは全然構いません。…ちなみに何時頃になりますか?」



学生じゃあるまいし、何時になろうが構わないところだけど、一応聞いておこうと質問する。
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