冷徹上司の過剰な愛
荒牧さんって自分の気持ちに真っ直ぐな人なんだなぁ。なんか、羨ましいなぁ。


それに比べてわたしは自分の気持ちに正直になれないところがある。それは難波さんに対しても…。


荒牧さんに遅れてオフィスに戻ると、難波さんと目が合った。


"なんかあった?"と表情だけで尋ねてくる難波さんから視線を逸らしデスクに戻った。



「荒牧さんなんだった?呼び出すなんて珍しいよね?」



と耳打ちしてきた舞子。



「体調の心配してくれただけ。優しい子だね、荒牧さんって。」


「それだけ?」


「それだけだよ?後はちょっと世間話ししたくらい。」


「…へぇ。難波さん絡みかと思ったけど違ったか。」


「え?どうして?」


「んー?だって荒牧さん見るからに難波さんのこと好きじゃん。仕事の話し持ち掛ける振りして近づいてる感じあるし、そういうところ上手いな〜と思ってた。」



っ、…そうなんだ?全然気づかなかった。


確かに荒牧さんは他の人に比べると、難波さんを慕う雰囲気が強い気が…。でもそれは好きだからだったんだ…?


わたしはてっきり仕事人間なんだとばかり思ってた。
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