冷徹上司の過剰な愛
「あのん…?男、じゃないよね?」


「違いますっ!それだけはっ……。わたしは難波さんとは違います。」


「……荒牧とは何もないよ。」


「嘘です。告白されたくせに。それにさっき…荒牧さんの腰に触れてた。浮気です!」


「…確かに告白はされた。でもちゃんと断ったし、触れたのは……咄嗟だった。そこになんの感情もないよ。荒牧は部下だし放っておけないでしょ。」


「………。」


「あのん。嫌な思いさせてごめん。………どうすれば許してくれる?」



と隣に移動してきた難波さんに俯く。そして考える。


どうすればこの気持ちは晴れるんだろう?と。



「…………嘘です。本当は全然怒ってません。えへへ。…騙してごめんなさい。……っ、」



多分この気持ちを晴れさせられるのは時間だけ。きっと時間が解決してくれるはず。


だから、今はグッと我慢だ。



「明日も仕事ですし、難波さんそろそろ帰ったほうがいいですよ。あ、コーヒーも出さずですみません。」



気づけばおもてなししてなかった。


難波さんから視線を逸らし、唇をギュッと噛み締める。



「……今日泊まろうかな。」


「…えっ!?」



難波さんの言葉に耳を疑う。
< 200 / 230 >

この作品をシェア

pagetop