冷徹上司の過剰な愛
その後も送別会は続き、気づくと時間は日付けを回ろうとしていた。それでもまだまだ続きそうな雰囲気に、少し外の空気を吸いに出た。



「っはぁ。もうすっかり夏だ。」



先週梅雨明けし、一気に暑くなった。


去年の今頃は何してたっけ?なんて呑気なことを考えていると、「蓮美、」と呼ぶ声が。



「有馬、」


「何?酔った?」


「酔ってんのは有馬でしょ?水買って来ようか?」



少し先に見えるコンビニを指差すと、「じゃ、俺も行く。」と一緒に行くことに。その道中での話題はもちろん難波さんのこと。



「俺さ、まじで難波さんのこと尊敬してるわ。あんな男になりたいって思う。」


「へぇ。有馬ならなれるよ、きっと。」


「……蓮美は?難波さんのこと、もう好きじゃねーの?」


「…さぁ?どうだろうね。」


「相変わらず蓮美は意地っ張りなんだな?素直に好きって言えばいいのに。」


「………だよね。ほんと。」



わたしはいつだってそうだ。自分の気持ちに正直になれないし、それを伝えることも出来ない。


…こんな自分がつくづく嫌になる。
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