幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない
貴晴さんが連れてきてくれたのは、落ち着いた雰囲気の洋風レストラン。
予約済みだったようで、とてもスマートに席まで案内された。
「オシャレなお店だね。 この間のホテルもだけど、貴晴さんのセンスってなんていうか、大人って感じ」
「大人だからな。まあ、一椛のためっていうのもあったし、すげー調べたんだけど。あ、こういうのって言わない方がかっこいいのか?」
貴晴さんの言葉に、少し驚く。
モテる男のことだから、この手のことは得意なのかと思っていた。
女性をもてなすのが上手というか…。
なんだ。貴晴さんも、一生懸命調べたりするんだ。
それが私のためだと思うと、余計に胸が弾んでしまう。
思わずくすっと笑うと、貴晴さんは「なんだよ」と不満げな顔をする。
「ちょっと親近感。貴晴さん、会わない間にすっごく大人になってて、遠くなった気がしてたのかも。だから安心したのかな。一生懸命なところとか、笑った顔とか、変わらないなあって」
「俺が一椛を置いて行くわけないだろ。ガキの頃からずっと、おまえの隣がいちばん安心するんだよ」
「ほんと、に…?」
そんなの、私がいちばんだって、錯覚してしまう。
貴晴さんには、好きな人がいるんじゃないの…?
私より、ずっと…――