幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない


老舗のドレスショップにやってきた。
古くは西洋の貴族が懇意にした格式高いブランド店だ。
ジュエリーショップも併設しており、ブライダルを控えた男女の利用も多い。

「一椛はスタイルがいいからな。それにただでさえ目立つ容姿だ。あまり主張しすぎても、変な目を閃かせる輩が出てくるやもしれん」

「主役は貴晴さんじゃない。そんな心配いらないと思うけど…」

「男は皆、自然と美人を目で追うものなんだ」

ああ、また。
はいはい分かってます。別に深い意味があるわけじゃないんだよね。
貴晴さんのは、ただ思ったことを言ってるだけ。
相手が私じゃなくても、きっとそう言う。

「褒められてるのかな、私。 なんでもいいよ、貴晴さんが着てほしいものを選んで」

スルー、スルー。
もういいかげん、彼の天然落とし文句にドギマギしないんだから。

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