幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない
「おお、可愛い。似合ってる」
「あ、ありがとう…」
「それもいいな。一椛は?さっきのとどっちが好き?」
「んー、いつもと違って新鮮なのは深青のほう。どっちも好き」
「そっか。 じゃあ次はこっち」
「はあい」
貴晴さんはずっと真剣だ。
カーテンから顔を覗かす度に、わかりやすく表情を変えて、必ず褒めてくれる。
可愛いとか、綺麗とか、似合ってるとか。
だから私も楽しい。貴晴さんの真面目すぎるところが、面白い。
「どう? 私好きだな、このデザイン」
「うん。たしかに、一椛のスタイルにもよく合ってる」
「えへへ。貴晴さんのタイプ?」
「ああ。そそられるものがあるよな、うん」
心做しか顔が赤いようにも見える。
口元に手をやっているけれど、隠せてませんよ。頬が緩んで、口角が上がってること。
「ふふ」
私はそれにニヤニヤと笑う。
「なんだ、その顔は」
「べつに〜。貴晴さん、楽しいかなあって」
「楽しいよ。一椛と一緒なら、なんでも」
くっ…落ち着け、笑顔!
笑って受け流す!貴晴さんのスマートなsweet発言!
「一椛も気に入ったなら、それにするか」
「うん。そうする」
よし、クリアした。
もう戸惑ったりしないぞ。貴晴さんは口が上手いんだから。女の人の扱いに慣れてるの。
モテ男の言葉を真に受けない!