幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない
「好きだ。一椛」

うぐぅ、苦しい…!強く抱きしめすぎだから!力加減……!

「わ、分かった! く、苦しいから、ちょっと離してぇ…!」

「あ、悪い」

解放された身体を離して見上げると、貴晴さんが目を細めて優しく微笑む。

「一椛は?」

「……好き。 絶対、私の方が先に好きになってた」

顔が近い。キスできちゃう。さっきまで遠かったのに、今はもうゼロキョリだ。

心の距離も、縮まっている。

「一椛」

思わず目を閉じた。

けれど思っていた展開は訪れない。

「…誰だ、こんな時間に」

こんな時間って、まだ18時を回ったところ……。
インターホンは宅配便だった。

残念なような、でも少しほっとしている自分もいる。
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