幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない
最近、視線を感じるな、とは思っていた。
仕事中のことだ。いやらしい感じはしなくて、なんというか、観察されているような。
その正体が最近わかったのだが……
「四宮さん! 三郷(みさと)です!お隣いいですか?」
「あ、うん。知ってるよ。どうぞ」
三郷くんの表情がぱあっと明るくなる。
社食でランチをとっていたら、彼がぴょこっと顔を出したのだ。
彼は最近、私を観察対象にしているみたい。
そうして時々話しかけてきては、私が答えると嬉しそうにする。
3つ年下の彼は子犬みたいな子だ。
総務部の新人くんで、仕事以外で話したのはたしか会社の忘年会が初めてだったと思う。
三郷くんは私の隣でうどんを啜っている。
雑談をしながら食べ終わると、何をするでもなく仕事に戻っていった。
一体なんだろう。新手の遊び? 何が楽しいのかはわからない。
「あ、四宮さん! 俺運びますよ」
「ありがとう。 でも、これくらい大丈夫よ」
廊下で出会った三郷くんがかけてくるので、やっぱり犬みたいだと思っていると、ふっと腕にあった重みが消えた。
「俺が持つ」
え、貴晴さん!?
「だ、大丈夫ですってば…」