すずらんに幸あれ!
#名前で呼んで!
「おい、『ご飯できた』ってレイラさんが言ってる」
「…あっ、ハイ」
とある休日の夜のこと────…。
扉をノックする音がしたので、お母さんかと思って適当に返事をするとすずくんの姿があった。
何事かと身構えたが、ただ声を掛けに来てくれただけだった。
それにしても、「おい」という呼び方、どうにかならないだろうか。
なんか、腹立つ。
「すずくん、お母さんのこと『羚蘭さん』って呼んでるの?」
3人で食卓を囲いながら、私はすずくんを睨みつける。
「『レイラさんって呼んで!』ってスズちゃんにお願いしたの~!」
お母さんは、嬉しそうに言った。
「……へー」
「なあに?蘭ちゃん。うらやましいの?」
「……羨ましいに決まってるじゃん…」
「あら、素直っ!スズちゃん、聞いた~っ!?」
お母さんは、興奮気味にすずくんに話を振るが、すずくんは興味なさげに黙々と料理を口に運ぶ。