すずらんに幸あれ!
「アンナちゃんも『こんにちは』って言っているでござる〜!」
「アンナさんとデート中ですか?」
「ややっ!よくわかりましたな。さすが蘭殿!」
分厚いメガネをかけているため、表情は分かりにくいが、どことなく秋山さんは嬉しそうに笑っている。
「そうだ、蘭殿!拙者、蘭殿に布教用のゲームを持ってきたでござるよ!」
そう言って秋山さんは、リュックの中からゲームソフトを取り出した。
パッケージを見つつ、頭の上に疑問符を浮かべる。
「こちらのゲームは『ドキドキ♡ガールズメモリー』の続編、『ドキ♡ガル』の10年後の舞台となる女性向け恋愛シミュレーションゲーム『恋とキミと運命の赤い糸』でござる!」
「いつか蘭殿に現実で会えたらこちらのゲームを貸そうと思っていたでござる!」と秋山さんは、鼻息を荒げながら言った。
「あっ、けっこうです」
「な、なぬぅっ!?」
眉を下げて、私は丁重にお断りする。
「なぜでごさるか…!?」
「私、あんまりゲームしないし。それに…」