すずらんに幸あれ!
今は、なかなか心を開いてくれない野良猫(すずくん)の攻略で忙しいので、ゲームをする余裕がない。
結局、あの後、すずくんは上靴から外靴へと履き替えることができたのだろうか。
「子猫(すずくん)のお世話をしないといけないので、ごめんなさい」
「蘭殿、猫を飼っているのでござるか?」
「……猫というか、まあ、そんな感じです…」
「猫を飼いながらでも大丈夫でござる!猫ちゃんをお世話しつつ、隙間時間にプレイしてみてはいかがかと!」
「いやぁ、ちょっと……」
「ん"ぉぉぉぉんっ!!(泣)」
腕で顔を覆いながらしくしく泣いている秋山さんに優しい眼差しを向けていると、背後から「あれ?秋山じゃね?」と見知らぬ声が聞こえた。
声がする方へ視線を移すと、秋山さんと同年代くらいの男女数人が立っている。
おそらく、大学生くらいだろう。
見た目が派手な人たちばかりで、秋山さんとは正反対だ。
秋山さんの友人にしては、彼に対する目がどこか嘲笑うような笑みを浮かべている気がする。