すずらんに幸あれ!
「何、お前。その人形持ちながら女子高生ナンパしてんの?」
「うわっ、きっつー(笑)」
「ガチでヤバいやつじゃん」
「彼女(妄想)がいるにもかかわらず、浮気ですか〜?」
ぞろぞろと派手な人たちが私たちを囲むようにして近づいてくる。
「……蘭殿、行くでござるよ」
「秋山氏と同じ大学の人たちですか?」
「さあ…。拙者の知らない人でござる」
秋山さんがその場から立ち去ろうとするので、私も慌てて後をついていく。
すると、グループの中心人物らしき男が後ろから私の腕を掴んできた。
「おーい、無視すんなよ〜。なあ、秋山く〜ん。『俺の言うことは絶対』……だろ?」
私は、掴まれている腕と目の前にいる男の顔を交互に見る。
「……無関係な上に、年下の女性に気安く触れるのはよらしくないのでは?」
「……あ?」
男は掴んでいる私の腕を放した。
横目で三日月アンナの人形を見て、蔑みの笑みを浮かべた後、右手を振り上げて秋山さんの頬を思いきり殴った。
「!? 秋山さん!!」
殴られた衝撃で、言葉にもならない声を漏らし、秋山さんは倒れた。