すずらんに幸あれ!

「…ところで、すずくんは何でこんなところにいるの?帰ったんじゃないの?」


すでに家に帰っていると思っていたので、いきなり現れて吃驚している。


「…まちがえて上靴で外歩いてたから、学校に戻る途中で蘭に声かけた」

「うそやん…」


彼の足下を見ると、確かにローファーではなく、上靴を履いている。

生徒玄関で友達がせっかく教えてくれていたというのに、あの会話は一体何だったのだろう。

さっきの助けに来てくれたような登場の仕方に、少しかっこいいと思っていたけど、上靴で台無しになった。

私たちのやり取りを見ていた秋山さんが「あのー…」と口を開く。


「お2人は、恋人同士か何かでござるか?」

「「ちがいます」」


同時に声を揃えて即答した私たちの間にどこか気まずい空気が流れたのだった。

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