すずらんに幸あれ!
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駅前付近のドラッグストアに寄って、絆創膏と痛みを抑える塗り薬を購入し、殴られた秋山さんの頬を手当てする。
「応急処置なんで、ちゃんと病院行ってくださいね?」
「わかったでごさる!」
手当てをした後、私たちは手を振って秋山さんと別れた。
「蘭殿!本当にありがとうでござる!!蘭殿のおかげで、拙者の心は救われたでござる!!」
秋山さんは、満面の笑みで言って、三日月アンナを大事に抱えながら去って行く。
「秋山氏に幸あれ!」
私も笑って、手を振り返しす。
遠くなっていく秋山さんの後ろ姿を見送った。
秋山さんを見送った後、すずくんの横顔を見上げる。
すずくんが上靴からローファーへと履き替えるために私たちは現在、学校に向かうことになった。
「…あのさ、すずくん」
「なんだよ」
「さっき、『蘭』って…。名前で呼んでくれた、よね…?」
「……呼んでない」
「呼んでたじゃんっ!」