すずらんに幸あれ!

***



駅前付近のドラッグストアに寄って、絆創膏と痛みを抑える塗り薬を購入し、殴られた秋山さんの頬を手当てする。


「応急処置なんで、ちゃんと病院行ってくださいね?」

「わかったでごさる!」


手当てをした後、私たちは手を振って秋山さんと別れた。


「蘭殿!本当にありがとうでござる!!蘭殿のおかげで、拙者の心は救われたでござる!!」


秋山さんは、満面の笑みで言って、三日月アンナを大事に抱えながら去って行く。


「秋山氏に幸あれ!」


私も笑って、手を振り返しす。

遠くなっていく秋山さんの後ろ姿を見送った。

秋山さんを見送った後、すずくんの横顔を見上げる。


すずくんが上靴からローファーへと履き替えるために私たちは現在、学校に向かうことになった。


「…あのさ、すずくん」

「なんだよ」

「さっき、『蘭』って…。名前で呼んでくれた、よね…?」

「……呼んでない」

「呼んでたじゃんっ!」

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