丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
ここは、志田の事務所。

志田のスマホに、鈴嶺から電話が入った。

「若、鈴嶺さんから電話が……」

志田「は?鈴嶺ちゃん!?
貸せ!
…………っほん…もしもし?」

仕事モードだったため、一度咳払いをしてできる限り穏やかに電話に出る、志田。

鈴嶺『あ…志田さん。
お仕事中、申し訳ありません。鈴嶺です』

志田「ううん!大丈夫だよ!
でも、珍しいね(笑)
君から直接連絡をくれるなんて!
いつも、佐木さんからなのに」

鈴嶺『はい。
内密に、お話したいことがあります。
志田さんのお時間の空いた時で構いません。
お会い出来ませんか?』

志田「内密?
…………わかった。
今日は、ちょっと忙しいから明日迎えに行くよ。
内密ってことは、凱吾くんや佐木さんにも知られたくないってことだよね?」

鈴嶺『はい。
あ、でも!勝手にマンションを出ると、佐木にバレるんです……
なので、お家に来てほしいのですが……』

志田「バレる…ね……(笑)
だったら、凱吾くんと佐木さんに“志田さんに杏ちゃんのことで相談があるって言われた”って言いな?
それなら、堂々と会えるよね?」

鈴嶺『あ、はい!』

志田「はい、良い返事!
じゃあ…明日ね!」

鈴嶺『はい!
お仕事中、失礼しました!
明日、連絡待ってます!
失礼します!』

通話を切り、天井を見上げた志田。
ふぅ~と息を大きく吐く。

「若?」

志田「さぁ…ど〜っすかなぁ〜」

「え?」

志田「…………おい」
志田が部下に手招きする。
部下が顔を近づけると、耳打ちした。

「…………わかりました」

志田「頼むよ」 


そして次の日―――――――

志田の指定した、会員制のレストランに向かった鈴嶺と佐木。

出入り口に、黒服の男性が立っていた。

「羽柴 鈴嶺様ですね?」

鈴嶺「はい」

「どうぞ?」

鈴嶺「はい。
じゃあ…佐木。
終わったら、連絡するから!」

佐木「お嬢様、私もお供させてください!」

鈴嶺「ダメ!
お車で待ってて!!」

佐木「しかし……!!」
(嫌な予感がする)

鈴嶺「佐木!!」

佐木「か、かしこまりました…」

丁寧に頭を下げる佐木に小さく手を振り、鈴嶺は中に入った。

そんな鈴嶺を切なく見つめる佐木に、志田の部下が声をかけてきた。

「佐木さん、ちょっとよろしいですか?」


佐木「え?
――――――――――」


< 142 / 151 >

この作品をシェア

pagetop