丘の上の大きな桜の木の下で、また会おう~After Story~
宗匠「━━━━ほら、鈴。
お前の好きな、フルーツのケーキ」

鈴嶺「わー////美味しそう!
それに、綺麗~ありがとう、宗くん!」

宗匠「今度は、凱吾にあーんしてもらったら?」

鈴嶺「へ!?」

凱吾「うん。鈴嶺、あーん!」

鈴嶺「は、恥ずかしいよぉ…/////」

凱吾「ほら、鈴嶺!」

鈴嶺「うー/////あ、あーん…」
恥ずかしくて、口を小さくしか開けられなかった鈴嶺。

宗匠「ププ…!鈴、お前クリームしか食ってねぇじゃん(笑)」

凱吾「可愛い、鈴嶺」
宗匠「確かに、可愛いな」

鈴嶺「だ、だって…恥ずかしいんだもん////」

利美はそんな三人の姿を、羨ましそうに見つめていた。


化粧室で、メイク直しをしている鈴嶺。
利美は、鈴嶺に声をかけた。

利美「鈴嶺様」

鈴嶺「ん?あ、佐々江さん!」
微笑み、利美を見る。

ニコニコしている鈴嶺に、利美は何故か苛立ちのようなモノが芽生えた。

利美「鈴嶺様は……嫉妬なさらないんですか?」

鈴嶺「え?嫉妬、ですか?」
唐突な利美の言葉に、目をパチパチして見る。

利美「はい」

鈴嶺「…………しないように、心掛けてます」
真剣な利美の表情に、鈴嶺も真っ直ぐ見て答える。

利美「え?」

鈴嶺「“嫉妬”は、悲劇しか生まないから」

利美「………」

鈴嶺「でも、ヤキモチは妬きますよ(笑)
憧れの人もいます!
でも、妬まないようにしてます。
ヤキモチや憧れは、私の活力にします!
頑張って、その方より素敵な女性になろうって!」

利美「そうですよね…」

鈴嶺「ん?佐々江さん?」

利美「羨ましいな、鈴嶺様!
羽柴様にあんなに想われて、不破様にもあんなに大切にされて……!」

鈴嶺「………凱くんは、ダメです」

利美「え?」

鈴嶺「凱くんは、私の凱くんですから!
でも宗くんには、まだ佐々江さんにも何か出きることありますよ?」

利美「え?」

鈴嶺「宗くんは、本当に優しい人です。
周りをよく見ていて、素敵な紳士様です。
だから、佐々江さんが“自分を信じて”素敵な女性でいれば、宗くんは見てくれます!
宗くんは、そんな人です!」

見据えて、はっきりとした口調で言ってくる鈴嶺。


利美は、フフ…と笑い「やっぱ、敵わないな(笑)」と呟いた。
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