放課後のBLUES


彼が落ち込むようなことは、なにも。

むしろわたしの話を聞く前に出ていったのは、向こうの方で。



「とにかく来てください!」

「……はい」



仕事のあとコテツさんと向かったのは、コンビニから歩いて10分くらいの公園だった。


そこに、彼はいた。

ベンチに寝転び足を組んでいる。


ち、近寄りがたい……!



「ハルキさーん!」


躊躇なく彼に小走りするコテツさん。

仔犬かな。


「んだよ……俺様のことは一人にしてくれと……」

「彼女連れてきたっす!」

「あ? おまえいつの間に女できたんだ」

「自分の彼女じゃなくて。例の彼女っすよ。コンビニの」

< 65 / 104 >

この作品をシェア

pagetop