本気で"欲しい"と思った。〜一途なエリートドクターに見染められました〜
「……由麻ちゃん?」
「……」
和音に抱き寄せられて、安心したようにその首元に擦り寄った。
首筋に直接当たる由麻の寝息に、和音は体を震わせた。
「……これはヤバイ」
呟いて、由麻が起きないようにそっとベッドルームに運んで寝かせ、和音はリビングに戻ってスマートフォンを手に電話を掛けた。
「……あ、二階堂 和音と申します。先日はありがとうございました。あの、それで突然なのですが──」
電話の相手は由麻の母親で。
流石に婚約者とは言え、まだ実家暮らしな由麻を無断外泊させるわけにはいかなかった。
お見合いの際に一応聞いていた連絡先がこんなところで役に立つとは。
『あら、娘がご迷惑をおかけして申し訳ございません。……もし迷惑で無ければそのまま泊まらせてあげてもらってもいいかしら?』
「え、よろしいのですか?」
『えぇ。丁度明日は由麻はお休みですし。和音さんさえよければですが。よろしくお願いします』
あっさりと外泊許可が出て、和音は拍子抜けした。
電話を切ってベッドルームに戻り、由麻の寝顔を見つめる。
無防備な愛おしい人の姿に、和音の理性はぐわんぐわんと揺らされる。
しかし由麻の母親からの信頼を裏切るわけにもいかず、それをグッと押さえ込みそっと由麻に布団を掛けた。