虹色のバラが咲く場所は

31話 紙一重

話を聞き終えた雪希は神妙な顔をしていた。
「完璧でも、凡人でも苦労は紙一重かな。」
軽く笑って言うが雪希は表情を変えない。

「ごめん、完璧なんて言って」
「別にいいよ。」
「僕たちの前でも演じていたの?その人が好きものを誰かが批判するのは、馬鹿げてると思うって言ってくれたのも嘘?」
雪希は縋る目で俺をみる。
「それは違うって言って信じてくれる?」
「わからない、でも僕は信じたい。
類を。蓮を。舞を。」
(やっぱり雪希も気づいていたか)

「そうだね、そろそろ入ってきてもいいん
じゃない」
ゆっくりドアが開き舞たちは入ってくる。
「えっと、入るタイミングを考えてたら」
「悪い、たち聞きする感じになって」
「別にそこにいるのは 
気付いて話したからね」
2人は目を見開いた

(なんか似てるな、この2人)
「どこから、」
「没個性って言ったあたり?」
「ほとんど最初じゃん。」
舞はツッコんだ。
「まぁ半分聞いてもらいたい
気持ちもあったから。」
休憩を挟みなんとか終わらせた宿題
「ありがとう、類」
「いいよ、いいよ。これで気にせず
ライブに集中できる」

そして、次の日私たちはデビューライブの 衣装を試着し、実際に踊ることに。
私のイメージカラーは赤紫。雪希は黄緑、
蓮は緋色、類は藍色。
鏡で見ると、本物のアイドルみたいで
なんだかむず痒く感じる。

私のはフェミニン、雪希はガーリーを
意識したような衣装。
戻ると蓮の衣装と類の衣装は同じ形だった。
ただそれぞれリボンが違った。
私はリボンタイ、雪はネクタイ、蓮は
スカーフタイ、類はクロスタイ。
「2人とも似合ってる」
「ありがとう、舞」
「舞は馬子にも衣装か」
「何よ、それ」

僕たちは毎日レッスンを続け、
ついにライブ1週間前になった。
「後1週間だね」
「そうだね」
レッスン場で寝転ぶ。
「雪希、だらしないよ」
「うん、今だけ」
「1週間前。あ、」
「舞?」
舞は外に出ていった。

紗南のトーク画面を開く。
紗南、そろそろオーディションじゃない?
送ろうとして削除した。
今送ったら、紗南の集中が途切れてしまいそうな気がして。
スマホをしまい、中に入る。
そして、レッスンを重ね、
ついにデビューライブ当日

「さて、今年も開催しました、
新米アイドルの新米アイドルによる新米アイドルのための催し。サマーフェスだー!」
司会者の演説が控え室まで響いてくる。
「なんか、緊張してきちゃった」
戯けて言うが私の手は震える。
「なに、緊張してんだ。今まで頑張っただろ
自信持てよ」
「って言っても声震えてるけど、」
「む、武者振るいだ」
「僕も、胸がドキドキしてる」
「大丈夫だよ、今までたくさんレッスンしたんだ。
俺たちの本気を見てもらおうよ」
(私たちを前向きにさせてくれる。やっぱり
リーダーなんだな)
「類、そうだね。僕たち頑張ったんだもん」
ノックがあり、スタッフの方が顔を出す
「Rainbow Roseの皆さん、準備してください。」
「「「「はい!」」」」

ステージ袖ですれ違ったのは少しプライドが高そうな人たち。
(すごい、デビューライブなのに堂々としてる。私たちも負けられない)
「さて残すところ次で最後になります。Rainbow Rose」
私たちは舞台に立つとすぐに曲が流れる。
(大丈夫、私たちならできる!)

あの日見た光を探し求めて、躓いて、
消えてしまった光、でもそこで居場所を見つけた。大丈夫、可能性を、
自分を信じて進める、そこから見える景色は永遠に胸の中へ。

(楽しい、ずっとここにいたい)
(まだ歌いたい)
(まだ踊りたい)
(まだライブをしていたい)
((((みんなに楽しんでもらいたい))))
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