年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
寝室までたどり着き、窮屈だろうとシャツのボタンに手を伸ばす。
「苦しいと思うので、シャツのボタン一つだけ外しますね」
そっと背伸びをしてボタンに手を伸ばそうとした瞬間。
「きゃっ!」
勢いよく手を掴まれた。
「え、園城さん……?」
熱を持った手で私の手を掴むと、そのまま園城さんのベッドに押し倒される。
バタンと倒れ込むようにベッドに背中をつけると、香水ではない、園城さんの香りが鼻腔をくすぐる。
「どうされたんですか!?何か、あの……」
突然のことに目を見開く私は、視線をどこにやったらいいか分からず、パニックだ。
この状況は何?
潤んだ瞳の熱っぽい視線が私に送られる。
園城さんがこんなにまっすぐに、そして情熱的な視線を向けてきたのは初めてだった。
ドキン、ドキンとうるさく鳴る心臓を酔っているだけだと言い聞かせて落ち着かせる。
「園城さ……」
すると、彼は私の言葉を遮るように名前を呼んだ。
「沙織」
──ドキン。
えっ……。
今まで一度も呼ばれたことの無かった名前。
それも愛おし気に耳元で甘く囁く。
かあっと身体の体温が上がっていくのが分かった。