年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
──。
懐かしい香りがする。
それは園城さんにはじめて抱かれた時の甘いムスクの匂い。
でも目の前の園城さんは私の側にいると思ったら背中を向けて去っていってしまうんだ。
「……か、ないで」
とっさに手を伸ばすと目が覚めた。
私の目の前には驚いた顔の園城さんがいる。
「目が覚めたか」
「ここは?」
「俺の家だ」
園城さんの家……。
私が寝ているのは、彼のベッドの上だった。
「なんですか、こんなところに私を連れ込むなんて」
私が調子付いて言うと、彼がやれやれと肩を落として言う。
「その様子だとまだ酔ってるな。危ないから水を……」
彼がペットボトルの水を差し出す。私は受け取って水を飲むが酔っていることもあってか、口元からダラダラと水が溢れ出した。
「何してるんだ」
彼がハンカチで溢れた水を拭き取ってくれる。口元をぬぐい、それから首元に。そして胸付近をポンポンと押しつけるように水を拭き取る。
その動きに何の意図も無いのは分かっているのに、なんだかエッチに感じてしまい……酔ってる私は思ったことをそのまま口にした。
「エッチ……」
「あのなぁ」
「……こんなお家に連れ込んで襲う気ですか、ほら飲んで帰ってきたあの日みたいに」