年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
そこまで言って私は思わず口に手をあてた。一番思い出したくないことを自らの口で掘り起こしてしまった。
酔ってフワフワしていた頭も一気に冴えてくる。
「すみません、冗談です。今、冷静になりました……」
私は咄嗟にベッドから出ようとする。
しかし、園城さんはさせないとでも言うように私の手を掴んできた。
「あの日こと……俺は全部覚えていた」
「えっ」
園城さんと目が合ってドキリと心臓が鳴りだした。
「う、ウソです」
「ウソじゃない……キミのほくろの位置。それからどうやって喘ぐのか、どんな顔をしていたのかまで全部知ってる」
園城さんの言葉に私の身体は全身が火照りだし冷静ではいられなくなる。
「な、何言って……」
「キミが掘り起こした話だ」
聞いてはいけない、もう知る必要のない話なのに、その続きが気になって仕方ない。
「一瞬も忘れてなんか無かった」
園城さんの掴む手が熱い。
それはまるであの日の夜みたいに。
「だって、あの時覚えてないって」
声が少し震えた。
先を聞くのが怖いのに聞きたがってる。