年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~


そんなこと言われると、早く会いたくてもどかしい気持ちになる。

「嬉しいです、私も声聞きたかったから」

まるで付き合っているみたいな気持ちだ。
私たちは全てをすっ飛ばして結婚しているから、それを今取り戻しているみたいで、なんだか歯がゆい気持ちになった。

「急がなくていいとは言ったが、早くキミと暮らしたい。キミのいない家は寂しい」

「え、園城さん……」

彼はあの日以来、自分の気持ちを素直に口にするようになった。
今までずっと口数少なくてクールな彼だったけれど、今は甘々で私への愛を存分に伝えてくれる。

「私も一人の家に帰ってくるとよりそう思います。荷物だけは少しずつまとめて置こうかなって」

話し合った末、園城さんが暮らしている家にもう一度戻ることになった。
彼は気持ちを変えるために引っ越してもいいと言ってくれたけれど、私はあの家での寂しい生活を塗り替えたくて、このままでいいと伝えた。

荷物がまとまり次第、彼が車で迎えにきてくれて夫婦生活がスタートする予定だ。





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