年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~


あとは父への報告か……。
父へはこの間、離婚を告げたばかり。

この短いスパンで再婚したことを告げたら、どう思うだろう。

それに父は私が父の会社の援助を求めて結婚したと思っているから、しっかりと説明する必要がある。

「沙織のお父さんには時間を作ってもらって事情を説明しよう。俺も一緒に行く」
「いいんですか?」
「もちろんだ、二人のことだからな」

不安に思っていることは園城さんがすぐに動いてくれて、不安を取り払ってくれる。
頼り甲斐があって、寄り添う場所があるのだと実感出来た。

「それじゃあまた……」
「ああ、愛してるよ」

電話の最後には毎回「愛してる」と伝えて電話を切る園城さん。

幸せいっぱいすぎるのが怖くなるくらいだ。
今まで愛されなくて寂しい思いをしていたのに、こんなに愛されていいのかなって。

後は朋絵への報告か……。
朝日くんを紹介してもらったこともあり、少し気まずいけど、しっかり伝えなくちゃ。

私はその手で朋絵に電話を掛けた。

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