年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
「こちらこそ悟さんのことがたくさん知れて嬉しかったです」
「情けない男だと思わなかったか?」
「いえ……愛されていたんだなって嬉しくなりました。それに私だって、吉野さんのお姉さんにヤキモチを……」
視線を逸らしながらごにょごにょと伝えると、悟さんはそれを逃さないとばかりに聞き返してくる。
「何?」
「その吉野さんのお姉さん……カフェで偶然出会った時もいらしたので、お付き合いしていたのかなって」
「覚えてたのか!」
はっと我に返り恥ずかしくなる。
あんなたった一瞬のことをハッキリと覚えていたとなったら、あの時から意識をしていたことがバレてしまうじゃないか。
「あ、いえ……そんなにハッキリは」
「それなら俺だって、あの日は胸が焼き焦がれる思いだった」
あの日は隣に朝日くんがいた。
悟さんが咄嗟に立ち上がり、私の手をとったのはあの時から一つも愛が消えてなかったのだと今なら分かる。