年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
これでもう園城さんと会う機会は正真正銘無くなるだろう。
今日は想像していたよりも、楽しめた1日だった。
「ありがとうございました」
「こちらこそ助かったよ」
園城さんがタクシー乗り場まで付き添ってくれる。その時、ふと吉野さんの言葉が蘇る。
『僕がどうこう言えることじゃないけど、悟の不器用さは沙織ちゃんに教えてもいいんじゃないかって思ったんだ』
何が正しいのかは分からない。
「あの……」
私が今聞こうとしていることさえも、間違いかもしれない。でも、聞かずにはいられなかった。
「吉野さんの言ってたことって本当ですか?」
私の言葉に彼は少し考えるようにして、慎重に訪ねた。
「……何を聞いた?」
「それは」
自分から言うのは恥ずかしくて、目を泳がせる私。それを見て園城さんは何かを察したようだった。
「もしかしてあの後も話したのか?」
「はい、少し……」
「全くアイツは、人の言うことなんて聞きやしないな……」
彼は眉をグッとしかめた。