年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
それから2時間ほどでパーティーは終わった。
私は吉野さんの言った言葉が頭から離れなかった。
ドレスを着替え衣裳室を出ると、園城さんが大きなソファーに座って待っている。
「お待たせしました。ドレスは園城さんのお車に積み込んでくれるらしいです」
「そうか……」
吉野さんの話を聞いてしまったからか、顔を見るのが恥ずかしい。私はあまり目線を合わせずに話をした。
「今日は疲れたろう?」
「久しぶりで正直……でもなんだか楽しめました」
「それなら良かった」
園城さんは嬉しそうに口角を上げた。
「これ……迷惑を掛けたお詫びに受け取ってくれないか?」
そう言って園城さんが渡してきたのは、ROYAL Chelsea(ロイヤルチェルシー)のロゴが入ったお洒落な紙袋だった。
「ROYAL Chelseaって……」
今人気を博しているパティスリー。箱の中に入ってるのは洋梨のタルトで、確か……すごく人気で今予約しても届くまでに1年かかるとか……。
これを仕入れる園城さんの人脈にも驚くけれど、ただ今回妻としてパーティーに参加しただけの私にこんなものを用意してくれるとは……。
「お気遣いありがとうございます。タルト大好きなんです。有り難くいただきますね」
袋を受け取ると、園城さんは私が帰るためのタクシーの手配をしてくれた。