クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 一見すると近寄りがたい怖い人なのに、かわいいところもあるんだな……と思った事を彼が知ったら嫌がるに違いない。

 契約夫婦の距離感に緊張したり、悩んだり、戸惑っていたのは私だけじゃないという事実は、これまで以上にぐっと透哉さんとの心の距離を縮めてくれた。

「わかった。それなら今日は別行動で。もしお昼までに落ち着きそうなら、一緒にご飯を食べようよ」

「ああ、すぐに終わらせる」

 うなずいた透哉さんがノートパソコンを片手に寝室へ向かおうとし、なにかを思いついたように私を振り返った。

「……俺も君と昼食をとりたいからな」

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