クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 それはまたずいぶんと太っ腹すぎる提案だ。

 相手が氷室社長でなければ、裏があって当然だと疑うくらいに。

「私のメリットが大きすぎませんか?」

「私にとってグループを継ぐ事がそれほどのものだと思ってくれればいい」

 多少の出費に目をつぶってでも、目的を果たしたいという事か。

 彼ほどの御曹司ならば、私にとって目が飛び出るような出費もお小遣い程度にしか感じないのかもしれない。

 さて、どうしよう。

 結婚なんて簡単に決めていい事ではないし、私だってこれまで両親を優先して恋愛をしてこなかったとはいえ、いつかは素敵な人と……という思いがある。

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