クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「結婚って……どこまでの事をしますか?」

 悩みに悩んだ末、なんとも頭の悪い質問をしてしまった。

 だけど氷室社長は笑わず、真面目に答えてくれる。

「籍を入れるのはマストだ。両親に怪しまれないよう、君には私の家で生活してもらいたい。それから……」

 氷室社長はその後もいくつか続けたけれど、どれも大したものではなかった。

 ほっとしたのも束の間、彼が少しだけ声のボリュームを下げて言う。

「寝室はふた部屋用意する。ベッドはともにせず、清い関係のままで構わない」

 飲もうとしたアイスカフェラテを、危うく噴き出すところだった。

< 30 / 250 >

この作品をシェア

pagetop