クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 もう大丈夫だというのにまた抱き上げられ、運ばれる。下ろしてほしい気持ちはあるものの、彼の機嫌をこれ以上損ねたくはない。

 不安定な体勢にも不安を覚え、おそるおそる彼の首にすがりついて抱きしめる。

 私の脚と背中に回った手が一瞬強張ったようだったけれど、透哉さんはそれ以外の反応を見せずにまっすぐ部屋へ向かった。



 部屋に着くと、透哉さんは立ち止まらずに寝室へ足を運んだ。

 キングサイズのベッドに下ろされただけでも困惑したのに、あろう事か彼が私の上に覆いかぶさってくる。

「透哉さん……?」

「限界だ」

 彼らしくない、妙に色っぽくかすれた声が落ちる。

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