クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 あの従兄弟が褒めるだけの人材らしいと、それで彼女の名前を覚えた。

 その時はそこで終わりだったが、それからしばらくして本人を見る機会が訪れたのだ。

 久し振りに孝志のもとを訪れた時、会社の前で新人営業マンらしき青年が床に書類を撒き散らしたところを見た。

 拾うのを手伝うには量が多く、孝志との約束の時間もあったため、そのままエントランスに入ろうとしたのだが。

 俺とすれ違う形で外に飛び出した女性が、真っ先に青年のもとへと駆け寄った。

『大丈夫ですか?』

『すみません、すみません』

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