激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
「早川さんの仕事はいつも丁寧で正確で、誰よりもたよりにしていたからやめてしまうのは残念だけど。僕個人としてはいい決断だと思うよ」
「そうでしょうか」
「あぁ。君の誠実さと向上心があればもっと違う場所で活躍できるんじゃないかって思っていたから。正直うちで翻訳だけをしているんじゃ、宝の持ち腐れだ」

 部長は以前から私を高くかってくれていた。
 少し褒めすぎだとは思いながらも「ありがとうございます」と頭を下げる。

「じゃあ、人事には契約の更新はしないということで話しておくから、結婚に関して必要な書類は早川さんから提出しておいてくれ」
「わかりました」
「それから、内藤は今出張中だけど、彼が帰って来てからなにか問題があればちゃんと対処するから、我慢せずに言うんだよ」

 そこまで気を使ってくれる部長はあいかわらずお人よしだ。

 康介との件でこんなふうに辞めることになったけれど、この会社で働けてよかったと思った。





   

 その後、私は職場ではなにごともなく平和に過ごすことができた。

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