激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
「まじめで頭が固いから付き合たことを後悔してるって。しかも二十四歳にもなって処女だったなんて重すぎるって」
見下すような視線を向けられた。
康介と付き合った一年間を否定するかのような言葉に、耳を塞ぎたくなった。
幸せだと思っていたのは私だけだったんだ。康介は最初から私のことを愛していなかったんだ……。
「職場でもまじめでいい子アピールして、正直うっとうしいんですよね。今日だって彼氏より仕事を優先して残業引き受けちゃって、バカみたい」
「でも、大事な仕事を優先するのは当たり前だから……」
「大事な仕事って、意識高くて笑える。しょせん契約社員なのに。あ、もしかしてがんばれば正社員になれるとか思ってます?」
野口さんが高い声で笑った。
容赦ない言葉に、心がずたずたにされていく。
くやしくてなさけなくて目頭が熱くなった。
涙を見せたくなくて、無言できびすを返す。
玄関のドアノブに手をかけたとき、うしろから手首を掴まれた。
振りほどこうとしたけれど、その手はびくともしなかった。
「日菜子、待ってくれ」
振り返ると、康介が焦った表情で私を引き留めていた。
見下すような視線を向けられた。
康介と付き合った一年間を否定するかのような言葉に、耳を塞ぎたくなった。
幸せだと思っていたのは私だけだったんだ。康介は最初から私のことを愛していなかったんだ……。
「職場でもまじめでいい子アピールして、正直うっとうしいんですよね。今日だって彼氏より仕事を優先して残業引き受けちゃって、バカみたい」
「でも、大事な仕事を優先するのは当たり前だから……」
「大事な仕事って、意識高くて笑える。しょせん契約社員なのに。あ、もしかしてがんばれば正社員になれるとか思ってます?」
野口さんが高い声で笑った。
容赦ない言葉に、心がずたずたにされていく。
くやしくてなさけなくて目頭が熱くなった。
涙を見せたくなくて、無言できびすを返す。
玄関のドアノブに手をかけたとき、うしろから手首を掴まれた。
振りほどこうとしたけれど、その手はびくともしなかった。
「日菜子、待ってくれ」
振り返ると、康介が焦った表情で私を引き留めていた。