激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
「パジャマなら、ラブラブな新婚さんにぴったりだなと思ったのよ。旦那さんとおそろいで着てね」

 先輩に微笑まれ、頬が熱くなった。

「あ、ありがとうございます……」と照れながらお礼を言う。

 私と亮一さんがラブラブかどうかはさておき、とても素敵なパジャマだった。

 添えられたリーフレットには日本製の上質な絹糸を使っていると書いてあり、高かったんじゃないかと心配になる。

 そんな私の気持ちを見透かすように先輩が笑った。

「早川さんは相変わらずつつましいわね。部長が『餞別に使ってくれ』ってけっこうな額を出してくれたから、気にしなくていいわよ」
「部長が?」
「本当は送別会にも来たかったみたいだけど、上司がいるとみんな楽しめないだろうからって遠慮したみたい」
「そうだったんですか……。本当に部長は優しいですよね」

 今日会社を出るときにご挨拶はしたけれど、送別会に来てくれたらもっとちゃんと感謝を伝えられたのに。
 ちょっと寂しい気持ちになる。

「早川さんはいつアメリカにたつの?」
「再来週です」

< 123 / 231 >

この作品をシェア

pagetop