激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~

「早川さんは今だって周りに気を使いすぎなんだから、それ以上控えめになってどうするのよ。むしろ自分の気持ちをどんどん言ったほうがいいわよ」
「そうそう。日菜子はもっとわがままになっていいと思うよ」
「ま、これからは素敵な旦那様がいるんだから、そんな心配もないでしょうけどね」

 先輩の言葉に曖昧に微笑む。

 康介のときの失敗を繰り返さないように、アメリカに行ったら亮一さんの気持ちを第一に考えられるようにしなくちゃと自分に言い聞かせた。


 



「日菜子、大丈夫? ちょっと飲みすぎた?」


 
 送別会を終えお店を出たときには、私の足もとはふらついていた。

 片手に花束を持ち、もう片方の手に餞別のパジャマが入った紙袋を持っている。
 一生懸命まっすぐ歩こうとしているけれど、地面が揺れている気がした。

 みんなに入れ替わりお酌をされ乾杯を繰り返していたら、少し飲みすぎてしまったようだ。

 普段は酔うほど飲むことはないんだけど、好意でお酌をしてくれたんだから断るのは悪いと思っているうちに、アルコールの許容量を超えてしまった。

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