激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
 こんな至近距離で亮一さんの笑顔を見たら、ドキッとしてしまうのも無理はない。

 聡美とは、アメリカにたつ前にまた食事をしようと約束をして別れた。


 ふたりきりになると、彼は私を車にのせてくれた。
 私が手に持っていた花束を見て、「綺麗だな」と目を細める。

「餞別にとプレゼントしてもらったんです。花束とパジャマを」
「もしかしてペアのパジャマ?」
「そ、そうです……」

 契約結婚なんだから、そんなもの必要ないと言われるかと思ったけれど、亮一さんは「新婚夫婦っぽくていいな」と小さく笑った。

 そんな亮一さんの顔をまじまじと見つめる。亮一さんが目の前にいるなんて。
 もしかして私は、ものすごく酔っているのかもしれない。

 緊張がとけほっとしたせいか、それとも車に揺られているせいか、酔いが回って頭がふわふわしてきた。

 亮一さんの横顔にみとれながら、「どうして亮一さんが日本にいるんですか?」とたずねる。

 彼はハンドルを握りながら種明かしをするように教えてくれた。

「国際会議の準備で、今日こっちに帰って来たんだ」
「国際会議ですか……」

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