激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
「大丈夫です。本当に」

 私を気遣ってくれる亮一さんに慌てて言う。

「私たちは夫婦だし、一緒に寝るのは当然ですよね」
「気を使わせて悪い」
「気を使ってなんていないですよ。亮一さんとなら一緒に寝るのいやじゃないです」
「またそういうかわいいことを言う」

 彼は苦笑いしてから私の肩を抱き寄せた。
 逞しい体が密着して、心臓が跳ねる。

「日菜子、約束は覚えているか?」
「約束ですか?」
「お利口に待っていたら、ご褒美をくれる約束だっただろ。ここに」

 亮一さんは形のいい唇を指さした。

 アメリカにたつ前に、彼とそんな約束をしていたことを思い出し、頬が熱くなる。

「ご褒美のキスをくれるか?」

 甘い視線を向けられ、胸を打つ鼓動が速くなる。

 これから亮一さんの妻としてふるまわなきゃいけないんだから、キスくらい平然とできるようにならなきゃだめだ。そう自分に言い聞かせる。

 そもそも、アメリカではキスなんて挨拶がわりだし。変に意識する必要はない。

 彼がキスをしやすいように、私の背中を手で支え首をかたむけてくれた。
 私はごくりと息をのみ、覚悟を決めて背伸びをする。

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