激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
私が中学生のころから知っているから、妹のように思ってくれているんだろう。
「彼が来年には結婚しようって言ってくれて、近いうちに兄にも挨拶をしに来る予定だったんですけど……」
「結婚の約束をしていたなら、立派な婚約破棄だろ。訴えないのか?」
「約束といってもただの口約束ですし、私にも問題があったので」
「日菜子ちゃんに問題が?」
私の言葉に亮一さんは納得できないというように眉を上げる。
「まじめで頭が固いから、彼は私と一緒にいても楽しくなかったみたいです」
「まじめなのは短所じゃなく長所だし、一緒にいる時間を楽しめないのは片方だけの問題じゃない。そんなくだらない理由で婚約破棄なんてありえない」
すぐさま反論され、「でも、それだけじゃなく……」と口走ってしまった。
あ、と思って口をつぐんだけれど、亮一さんはその動揺を見逃さなかった。
「それだけじゃないって。ほかになにが?」
彼はこちらにするどい視線を向ける。
なにがって。そんなの言えるわけがない……。
言い訳を考えていると、亮一さんがじっと私を見つめた。
「彼が来年には結婚しようって言ってくれて、近いうちに兄にも挨拶をしに来る予定だったんですけど……」
「結婚の約束をしていたなら、立派な婚約破棄だろ。訴えないのか?」
「約束といってもただの口約束ですし、私にも問題があったので」
「日菜子ちゃんに問題が?」
私の言葉に亮一さんは納得できないというように眉を上げる。
「まじめで頭が固いから、彼は私と一緒にいても楽しくなかったみたいです」
「まじめなのは短所じゃなく長所だし、一緒にいる時間を楽しめないのは片方だけの問題じゃない。そんなくだらない理由で婚約破棄なんてありえない」
すぐさま反論され、「でも、それだけじゃなく……」と口走ってしまった。
あ、と思って口をつぐんだけれど、亮一さんはその動揺を見逃さなかった。
「それだけじゃないって。ほかになにが?」
彼はこちらにするどい視線を向ける。
なにがって。そんなの言えるわけがない……。
言い訳を考えていると、亮一さんがじっと私を見つめた。