激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
「日菜子ちゃんが悪いんじゃなく、その男が下手なんだ」

 冷たく吐き捨てられ「下手?」と目を瞬かせた。

「どうせそいつは自分さえ気持ちよければいいって、相手のことを考えない身勝手な行為をしていたんだろ」
「そう、なんですかね……」

 ほかに比べる相手がいないから、私にはどちらの言い分が正しいのかわからない。
 困惑していると、低い声でつぶやかれた。

「俺なら必死に声をこらえている相手をぐずぐずに甘やかして、恥じらいを忘れるくらい気持ちよくさせてやるのに」

 いつも兄のように私に優しくしてくれる彼のものとは思えない言葉だった。

「今まで彰に遠慮して見守るだけで我慢してきたけど、そんなくだらない男に泣かされるくらいなら、俺が奪ってしまえばよかった」
「そ、それって……」

 どういう意味だろうと混乱する。

 こちらを見つめる亮一さんの匂い立つような男の色気に息をのんだ。
 煽情的なまなざしが艶っぽくて、心臓がドキドキと音を立てる。

「たしかめてみるか? 元カレと俺。どちらが正しいか」

 低い声で問われ、のどがごくりと上下した。

 そのときスマホが震える音が聞こえてきた。
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