激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
「……赤くなっちゃうのは、亮一さんが好きだからだよ」

 頬を熱くしながらそう言うと、亮一さんが黙り込んだ。
 額に手を当てうつむき、「やばい……」とちいさなうめき声を漏らす。

 そしてそのまま黙り込んでしまった。

 その場に沈黙が流れ、どうしていいのかわからなくなる。

「ちょっと、亮一さん。人が勇気を出して好きって言ったのに、どうして黙り込んじゃうの?」

 私にだけ恥ずかしい思いをさせるなんてひどい!

 憤慨した私が真っ赤になっていると、亮一さんは顔を上げ「ごめんね」と甘く微笑んだ。手を伸ばし私の頭をなでる。

「日菜子がかわいすぎて押し倒したくなったから、必死にこらえてた」
「な……っ!」

 予想外の返答に、ぱくぱくと口を開閉させる。

「お、お兄ちゃんの前で押し倒すとか言わないでっ」
「わかってるよ。ふたりきりになってからな」

 亮一さんは私のあごをすくいあげ、至近距離でみつめながらささやく。

「そうじゃなくて!」
「じゃあ、日菜子は今すぐ押し倒してほしいのか?」
「ちが……っ!」

 そんなやりとりをしていると、それまで沈黙していた兄が小刻みに震え出した。

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