激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
野口さんのあのようすなら、同僚たちにおもしろおかしく言ってまわりそうだし、私と康介が付き合っていることは職場の人に知られていたから、気まずい空気が流れるだろうな……。
一気に気分が暗くなる。
「無理に出社せず、つらいなら休むといい」
「いえ、そんな無責任なことできません」
「本当に日菜子はまじめだな。俺としては休んでくれたほうが安心できるのに」
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」
私が言うと、亮一さんは少し考えてからこちらを見た。
「じゃあ、仕事中はこの指輪をつけていてくれないか」
「指輪って、これを?」
左手の薬指に輝く婚約指輪を見下ろす。
「あぁ」
「む、無理です」
「どうして?」
「どうしてって……」
不満気な亮一さんに説明する。
恋人に浮気されて捨てられた私が、こんなに豪華な婚約指輪をつけて出社したら、みんなを驚かせてしまう。
一体誰からもらったんだと、興味津々で質問攻めにされるに違いない。
「そうなったら、なんて答えればいいんですか」
兄の親友と契約結婚をした、なんてとてもじゃないけど言えない。
一気に気分が暗くなる。
「無理に出社せず、つらいなら休むといい」
「いえ、そんな無責任なことできません」
「本当に日菜子はまじめだな。俺としては休んでくれたほうが安心できるのに」
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」
私が言うと、亮一さんは少し考えてからこちらを見た。
「じゃあ、仕事中はこの指輪をつけていてくれないか」
「指輪って、これを?」
左手の薬指に輝く婚約指輪を見下ろす。
「あぁ」
「む、無理です」
「どうして?」
「どうしてって……」
不満気な亮一さんに説明する。
恋人に浮気されて捨てられた私が、こんなに豪華な婚約指輪をつけて出社したら、みんなを驚かせてしまう。
一体誰からもらったんだと、興味津々で質問攻めにされるに違いない。
「そうなったら、なんて答えればいいんですか」
兄の親友と契約結婚をした、なんてとてもじゃないけど言えない。