囚われのシンデレラ【完結】


「この腕の中にあずさがいて、体温を感じて。幸せでたまらない」
「――あっっ」

私の中を埋め尽くす少しの隙間もなく満たす温もりが、激しい快感を連れて来る。

「好きだ……」

恐ろしいほどの色気を放出しているしかめた表情に、私に感じてくれているのだと思えてどうしようもなく昂ぶる。

「あずさ、」

絡めた指から、重なる唇から、想いが流れ込んで。

「ごめんな、ごめん」

謝る西園寺さんに、何度も頭を振った。

「……好き。大好き」
「俺もだ。ずっと、こうしたかった――」

私の上で上下に揺れる身体が、加速度的に激しく動く。それと同時にせり上がる快感が限界まで高まって、身体を突き抜けて弾けた。

「あぁ……っ」
「あずさ――」

大きく身体が跳ねた後、くたりと落ちて行きそうになった身体を西園寺さんが抱き留めた。

 優しく包み込む腕と温かな胸に、じんとする。その身体が離れて行ってほしくなくて、しがみつくように腕を広い背中に回した。

 お互いの乱れる呼吸が落ち着くのを待つように、じっと抱きしめ合った。

「……悪かった。()くような抱き方をして。次は、もっとじっくり抱きたい」

額に額を重ねて、私の頬に汗で張りついた髪をかきあげながら、西園寺さんがそんなことを言う。

「つ、次……って、また、するの?」

「当然だ。全然、足りない。今まで耐えていた分が、一度で済むはずがないだろ?」
「今までの分って――」

一体、何回――?

自分の考えたことが恥ずかしすぎて、西園寺さんからつい顔を背ける。

「どうした? 何を考えたんだ?」
「何でもありませんから」
「じゃあ、なんでそんなに顔を赤くしている?」
「し、知りません……っ」

腕で顔を隠そうとしたら、その腕を掴まれてしまった。じっと見つめられているのが分かるから、ぎゅっと固く目を閉じる。

「――」

溜息が吐かれたのに気付く。思わず目を開き西園寺さんの顔を見上げる――。

そこには、いつもと違って下りた前髪がかかる、甘く緩んだ目があった。

「まったく。どうして、そう可愛いんだ」
「……え?」
「可愛くてたまらなくて。もっと、いじめたくなる」

甘くなる声。近付く唇が頬を掠める。それがそのまま、耳へと滑って。

「あずさのナカから出た瞬間に、もう、入りたくてこうなってるのに。そんな可愛いことをして、俺をどうするつもりだ?」

掴まれた腕を下腹部へと持っていかれて、硬くなったものに触れる。

「さ、さ、さい――っ」

驚きと恥ずかしさで、言葉にならない。

「どうして――」
「どうしてって、あずさが可愛いから。あずさと離れていたくないから。それ以外に、理由なんてない」
「西園寺さん、別人みたい、です……ん――」
「ほんとだな」

西園寺さんの唇が、耳たぶに触れるか触れないかくらいのところで、囁く。

それはもう愛撫だ。ぞくぞくと肌を波立たせる。

「これまであまりに耐え過ぎたせいで、(たが)が外れて、おかしくなったのかもしれない。自分でも、どうにもできない。ごめん」
「や、あぁ……っ」

ベッドに横たわる身体を背中から抱きしめられて、その手が私の身体をなぞるから、また声を漏らしてしまう。
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