甘くてこまる


話したこと……ないよね。


わたしに何の用があるんだろ。

でもわざわざお昼休みに教室に来るくらいだから、きっと、何か大切な用事、だよね。




「大丈夫だよ」




こくっと頷いて、男の子に着いて教室を出ようとすると、うみちゃんが「ちょっと」と呼び止めてくる。




「せいら、ちゃんとわかってる?」

「っ、え? えと、たぶん」




わたしに急用ってことだよね、と思っているとうみちゃんは「わかってないな」の呆れた顔をして、それから。





「まあ、たまには社会勉強も大事だしね。行ってきなよ」





と謎なセリフでわたしを見送る。

疑問に思いながらも、教室を出ようとすると。





「せいら」





< 46 / 82 >

この作品をシェア

pagetop