甘くてこまる
話したこと……ないよね。
わたしに何の用があるんだろ。
でもわざわざお昼休みに教室に来るくらいだから、きっと、何か大切な用事、だよね。
「大丈夫だよ」
こくっと頷いて、男の子に着いて教室を出ようとすると、うみちゃんが「ちょっと」と呼び止めてくる。
「せいら、ちゃんとわかってる?」
「っ、え? えと、たぶん」
わたしに急用ってことだよね、と思っているとうみちゃんは「わかってないな」の呆れた顔をして、それから。
「まあ、たまには社会勉強も大事だしね。行ってきなよ」
と謎なセリフでわたしを見送る。
疑問に思いながらも、教室を出ようとすると。
「せいら」